低金利時代には保険でお金は貯められない

実際の運用利率はもっと低い

20代のOLさんと話をする機会があったので「どんな商品で貯金をしているの?」と聞いてみました。銀行の積み立てや財形貯蓄を利用している人が多い中、6人のうち半分が「保険」というのでびっくりです。

今のような低金利時代に保険でお金を貯めるのは非効率な貯蓄法なのに親からのアドバイスを素直に受け入れているようです。その後の飲み会は保険の仕組みを解説するミニセミナー状態になってしまいました。

保険を貯蓄代わりにしているA子さんは「貯蓄型保険の予定利率は1.5%と聞いて銀行の定期預金より有利だと思ったから」と言います。確かに大手銀行の定期預金1年モノの金利は0.15%、10年モノですら0.5%ですから、数字だけ見ると1.5%の貯蓄型保険の方が有利に思えます。

でも預金は預けたお金の全額が預金金利、0.15%とか0.5%で運用されますが、保険は支払った保険料のすべてが1.5%で運用されるわけではないため、実際の運用利率はもっと低くなるのです。

保険の仕組みを考えてみましょう。聞き慣れない言葉が多いため、難しそうな話に思えるかもしれませんが、このことを知らないと損しますので最後まで読んでください。

まず「付加保険料」は保険会社の手数料です。次の「危険保険料」とは入院給付金や死亡保険金の支払いなど保険加入の本来の目的である「リスク(危険)」が発生したときのためのお金です。入院する確率、死亡する確率などリスクが発生する確率に基づいて保険料が決まります。3つ目の「生存保険料」はボーナスや満期金などの支払いに充てられるお金です。

保険の種類によって3つの保険料の構成が異なります。例えば、定期保険など死亡保障のみの保険のケースだと「付加保険料」「危険保険料」の2つです。保険期間中に死亡しなかったら付加保険料も危険保険料も「掛け捨て」になります。

貯蓄型でも掛け捨て部分がある

では、貯蓄型の保険は?親世代に人気のあった養老保険を例にとりましょう。これは、満期時に満期金が受け取れ、それ以前に死亡すると死亡保険金が出る商品です。保険料は「付加」「危険」「生存」の3つ全てで構成されますが、このうち満期金の支払いのために積み立てられるのは「生存保険料」のみです。ですから、予定利率1.5%で運用されるのは、主に生存保険料の部分なのです(養老保険の危険保険料は予定利率の影響をほとんど受けません)。

付加保険料は、保険会社の経費や利益ですから掛け捨てです。満期までに死亡しなかったら危険保険料も掛け捨てです。貯蓄型の保険でも掛け捨て部分があることは、ぜひ知っておきたいことです。

今、30歳の女性が郵便局でかんぽ生命の10年満期養老保険、満期保険金100万円に加入すると月払い保険料が8,550円です。10年間で102万6,000円支払って満期金は100万円ですから貯蓄として見ると元本割れですね。

積み立て部分を1.5%で10年間運用しても掛け捨て部分があるため、100万円にはならないわけです。ちなみに保険会社は皆さんが支払う保険料の内訳、つまり、付加保険料や生存保険料がそれぞれいくらなのかは明らかにしないのが一般的です。

先の養老保険は予定利率が高かった1990年の契約なら月払い保険料は7,240円です。払込総額86万8,800円なので貯蓄になっています。親世代はこのときお金を増やしたのです。今から新規加入する個人年金も同様の考え方で貯蓄としては魅力が薄いです。「低金利時代には保険でお金は貯められない」これだけはよく覚えておいてください。

— posted by 吉金 at 04:20 pm